こんにちは、よしのです。
外国に移住する際の最初の難関が、お部屋探しだと思います。
日本人・外国人だけでなく、ドイツ人でさえもドイツの都市部での部屋探しに苦戦していることは多いです。
滞在許可を取るために、まず必要なのが住所。
ホテルの住所でも許可が下りないことはないですが、移動したら再度手続きしないといけないし、役所からの大切な書類の受け取りにすったもんだする可能性もあります。
私は2017年時点で、ドイツで5年以上暮らし、その間に入居4回・退去3回を経験しています。さらに、過去に仕事で70名以上の日本・ドイツ間の引越しや家探し(主にミュンヘン内)を手配しました。
その経験を踏まえ、私なりに思うドイツで入居先を見つけるためのポイントをこれから数回に分けて書こうと思います。
まずはドイツの各都市の印象から。
以下の都市をご紹介します。
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ベルリン
ベルリンはドイツの首都であり主要な政治の中枢や大使館が所在しています。
街のサイズは大きめで、自然やカルチャーも多いので、住みやすそうだなーと思います。
ベルリンはドイツの中、いや世界中を見ても特別な街。
ドイツが東西に分かれていた時代に、東ドイツに含まれていたベルリンは、街をさらに東西に分けられていて、ベルリン市内の西ドイツはかの有名な「壁」で全体を囲われていたんですよね。
この壁はベルリンの色々なところで見られます。
観光地として有名になった「チェックポイント・チャーリー」(東西境界線上に置かれていた国境検問所)の隣にある博物館では、東西冷戦時代に東側に住んでいた人たちがあの手この手で西側に脱出を図った方法などを知ることができます。
東西が統一されたうえで発展してきたことがベルリンに住む人の強い誇りになっていると感じます。
お世話になったベルリンに住んでいる方が、以前お家に招待してくださったのですが、ちょっと車で走るとボートを漕げるところがあったり、壁を崩してできたがれきで作った丘があったり、魅力の掘り下げがいがありそうな街だなと思います。
写真の廃墟は東西時代にスパイに使われていたとか。。。そんなような話だったような(記憶があやふや)。丘から撮った写真です。
ドイツの中でもベルリンは、今アツいと色々なところでピックアップされていますね。
聞くところによると、サービス系の業界やスタートアップが多いみたいです。あと、クラブが多くて若者向けなイメージ。
日本人でもシリコンバレーじゃなくてあえてベルリンで起業する!っていう人の話も結構目にしますね。
ハンブルク
ドイツの都市で個人的に気になるのは、かのビートルズも住んでいたというハンブルクです。出版社やメディア系の業界が多いみたいです。
港町だから魚も手に入るし、いつでもハイレベルなミュージカルが観れる!
ディズニー主催のライオンキングが特設ステージで年中やっていると聞き、Theater im Hamburger Hafenへ観に行きました。
港にある劇場で、劇場まで船で行くんですよ(ほんのちょっとの距離だけど)。
ドキドキして盛り上がります!
劇は全部ドイツ語でしたが、セットが壮大で、歌もとても上手で、オープニングで鳥肌が立ちました。おすすめです!
ハンブルクは、街全体からロックな感じがして、私の中ではミニロンドンって感じです。私が止まったホテルはユニオンジャックがいたるところに使われていました。かわいいホテルも多いです。
赤レンガ倉庫街。街中に水路が走っているのもハンブルクの特徴。
とても魅力的な街で一度は住んでみたいと思います。
デュッセルドルフ
ドイツで最も日本人が多いのはデュッセルドルフ。ヨーロッパで3番目に大きい日本人コミュニティがあります*。
ラーメン屋、そば屋はもちろん日本のクリームパンやあんぱんを売るパン屋(ドイツのパンは基本的に硬くて日本のパンみたいにふわふわではないです)、本屋、カラオケやキャバクラもあるらしいです。日本を恋しく思う必要なし(?)。
写真は「なにわ」のラーメン。
日本人通り的な通りがあって、このあたりの公園に行ったら、聞こえてくる会話は普通に日本語みたいですね。
日本人学校の近くだと家賃がべらぼうに高いようです。出向者が多いからでしょうね。日系企業も多いから、ドイツ進出した日系企業でのローカル採用を狙うなら、候補に入ってくる場所ですよね。
1回だけ行きましたが、予想以上に大きい街だなぁと思いました。雨が降っていてあまり堪能できなかったのですが、ライン川沿いをいつでも散歩できるのはいいなと思いました。
ケルン
デュッセルドルフの近くのケルン。電車で20分の近さ。
ケルンに住んでデュッセルに通うORデュッセルに住んでケルンに通うといったことが可能です。家賃はデュッセルより安いイメージがあります。
街自体はこぢんまりしているけど適度に大きい。街の真ん中にライン川が流れています。
ケルンと言えばケルン大聖堂。中央駅の真ん前にあって、大層大きいです。
ケルン大聖堂自体は、私は「大きい…」以外特に印象に残らなかったのですが、周辺にカフェが結構あって大聖堂を眺めながらお茶できるのはいいなと思います。
ケルンは仕事で結構通ってましたが、日本食の「金太郎」さん以外にあまり行った記憶がありません。
金太郎さんはとっても美味しくてスタッフの方も親切な方が多くて好きです。
Nippons Küche - seit 1988 - Deutsch
ケルンは2015年の大晦日に大聖堂の周りで集団で女性を襲う事件がありました。安心して住めるとは言い難いかと。
ドレスデン
東西時代に東ドイツだったドレスデン。
旧ドレスデン国立歌劇場である「ゼンバー・オーパー」があります。ものすごく美しい歌劇場です。これだけで、街の格が飛び出るような気がする。
フラウエン教会も綺麗でした。
戦時中、爆撃で破壊され、戦後修復された教会は崩壊する前のオリジナルの建材と新しい建材を合わせて作られており、まだら模様からそれが見て取れます。
ドレスデンも旅行で1日行っただけなので完全にツアーで行く場所の感想のような感じですが^^;
個人的には、ドレスデンは移民排斥デモとかでニュースになるので、日本人としては住みやすさはどうかなぁ、と思います。
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フランクフルト
金融の街、フランクフルト。欧州中央銀行があり、金融機関の高層ビルが立ち並んでいます。
マイン川の対岸から見ると、ちょっとマンハッタンを思わせることから「マインハッタン」なんて呼ばれたりします。(いやいやレベルが違いすぎだろっ)
ゲーテの生家があり、アップルワインが名産。
様々な業界の大きなフェアなんかが開催されていて、スピード感を感じる街ではある気がします。
駅前は結構汚い印象があります。
私が行ったときは道路にベッドマットレスやソファが放置されていました。まぁこれもフランクフルトに限った話ではありませんが。
夜は1人で歩かない方がいいとされる通りがいくつかあります。
中央駅からちょっと離れると背が高めの古めかしいマンションが立ち並ぶ地域などあり、雰囲気がブリュッセルとか西欧の都会に似ているなあと思います。
場所を選べば、閑静な住みやすい通りもありそうです。
マンハイム
私が今住んでいる街です。(追記:その後引っ越しました。)
「マンハイムに住む者は2回泣く。マンハイムに引っ越してきたときと、マンハイムから引っ越して出ていくときだ。」とは大学の先生の言葉。
私が引っ越してきたころは、住民の1/4は外国人だと聞きました。今はもっと外国人の割合は多いと思います。路面電車に乗っていても、ドイツ語を聞くことのほうが少ないです。かなりの国際都市です。
マンハイムは、ひいき目に見ても、観光する場所ではありません。
綺麗な景色と言えるものは、今はマンハイム大学として使われているお城を正面から見たところと、水道塔のまわり、あと有料公園のルイーゼンパークくらいでしょうか。
城(大学)を囲むようにリング状の道路が走っており、このリングの中はドイツでも珍しい碁盤の目状に区画されています。
ブロックはA、B、C、…に数字をつけて表されるのですが、Kが北にあって折り返してLが南にある。分かりにくい^^;!
リングの中をQuadrate(英訳するとsquare)と言うのですが、この端から端まで歩いても、15-20分くらい。
Quadrateの中に住んでいる人は、「今からあそこ集合ね!」と言えばすぐ落ち合えるという点ではコンパクトにまとまっている利点があるようです。
Quadrateの中は基本的に汚いです。なんでしょう、建物が古くて簡素なのと、道が狭いことが、見た目を悪くしている気がします。
Quadrateの脇のバーやクラブのたくさんあるJungbush通りのあたりは、治安もあまり良くなく、女性が襲われた事件のニュースなども過去ありました。夜の1人歩きは注意が必要です。
といってもマンハイムはQuadrateの外にも結構広がっていて、閑静で綺麗な住宅街も外にはたくさんあります。
路面電車で10分も走れば行けるので、住むならQuadrateの外が私はおすすめ。家賃もそっちのほうが2~3割安いと思います。
その他、マンハイムの特徴としては、ADLER Mannheimというアイスホッケークラブの本拠地で、冬は面白いアイスホッケーの試合が日常的に観れる。
個人的にはスピード感があってサッカーより好きです。初めて観たとき結構感動しました!
あと、ちょっと足を延ばせばハイデルベルクやシュリースハイムといった綺麗で小さな街があります。シュリースハイムはワインの名産地でもあります。
ライン川を挟んだマンハイムの対岸は別の州になるのですがルードヴィクスハーフェンという街があって、BASFという世界最大の総合化学メーカーの本社があります。こちらにはBASFの社員の方がたくさん住んでいます。
ハイデルベルク
ハイデルベルクは大好きな街。ドイツの中で一番好きかもしれません。小ぶりですがとても美しいです。山あり、川あり、城あり。
旧市街には美味しいレストランやカフェもたくさんあるし、どこを歩いていても通りが綺麗。
旧市街から見た川の対岸にはゲーテも歩いたという「哲学の道」があって、そこから見下ろす街の全景は素晴らしいです。ランニングしている人もたくさん。
このあたりの家並みは本当に美しくて、たぶんかなりお金持ちな方が住んでるんだろうなぁ、と思いました。テスラの車停まってたし。
本当はハイデルベルクからマンハイムに通いたかったのですが、通学時間と家賃の高さで諦めました。家賃はたぶんマンハイムの3割増しくらいかな。
旅で行くにもおすすめです。
日本のガイドブックはローテンブルク推しが多い気がしますが、私は俄然ハイデルベルク推し!
ミュンヘン
実は近年デュッセルドルフよりも日系企業の進出が著しいらしいミュンヘン。
私はミュンヘンに3年半住んでいましたが、離れて改めて思います。本当にいい街だったなぁ。(追記:その後ミュンヘンに舞い戻りました。)
大きな街ですが、どこを歩いても景色が綺麗です。唯一「ちょっと…」な感じの場所は中央駅の周り。
自然の中を散歩したければ英国庭園やオリンピアパークがあるし、博物館・美術館もたくさんあります。
英国庭園にある「中国の塔」
オリンピアパーク(1972年のオリンピック開催を記念した公園)
新市庁舎
大きな歌劇場も、買い物できる界隈もあるし、公共交通機関が発達しているので、外れに住んでいなければ市内はどこでも30分くらいで行けます。
日本食も他の街に比べるとたくさんあって美味しいところも結構多い。
日系企業が多いから仕事のとっかかりが得やすいかもしれません。
住んでる日本人も多いから日本人コミュニティがあると安心、っていう人は人脈広げやすいかも。学生も社会人も多いし、20年以上住んでますっていう日本人も少なくないです。
個人的には失業率も低いし、住むのに最適な街だと思います。
一点どうにも難点なのが家賃の高さです。ベルリンより高いんじゃないでしょうか。マンハイムの2-3倍すると思います。
今1ユーロ122円くらいですが、月8万円以下で見つけるのは相当至難の業だと思います。そして年々家賃の相場は上がっています。
あと2015年の大晦日にテロ騒ぎがあって地下鉄が封鎖されました。
3年前じゃ考えられないけど、可能性が現実的になってきています。
他の小さい街よりテロへの警戒が必要な場所だと思います。
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ドイツは北ドイツと南ドイツで人あたりが違うとよく言われます。
南の方は陽気で大げさ、北の方は落ち着いていてとっつきにくいというのが私の勝手なイメージですが実のところはどうでしょう。
レーダーホーゼン着てビール飲んでるビール祭りのドイツ人のイメージは前者で、ドイツ人と日本人には共通点が多いというときのドイツ人のイメージは後者ではないかと思います。
私は南にしか住んだことがないので、北の方のドイツについては偏った見方をしている可能性が大きいです。もし北に詳しい方がいらっしゃればコメントしていただけると嬉しいです。
西と東でも違いはあります。東西ドイツが統一されたのが1990年。そんなに前の話ではないです。
東ドイツは共産主義だったため西ドイツに比べて賃金が低く、その地域差は今も残っていると言います。税金でも、「連帯付加税」(Solidaritätszuschlag)という東ドイツ修復のための租税が今も徴収されています。
格差のせいか移民や難民に対して東は反対姿勢が強いようです。
ケルンの事件のあと、メルケル首相の難民政策に反対しているAfDという政党が特に東独で躍進したとニュースになりました。
私は、東西統一に努力を続けていることが、今のEUでのドイツの立ち位置を作っていると思うし、理想に向かって継続的に歩む姿勢に見習うべきものは多いと思います。
それでは今日はこの辺で。
ビスダン!
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